お酒と健康
血栓溶解酵素の活性化は、アルコール(エタノール)そのものよりも、その揮発成分(風味の素)によります。純エタノールに近い「甲類焼酎」では、活性が低く、逆に、いも・そば・むぎなどの「乙類焼酎」は、血栓溶解酵素の活性化効果が特に高くなっています。
どんな酒もウロキナーゼ(血栓溶解酵素)を増やしますが、それでも乙類焼酎が断トツです!
■納豆から血栓を防ぐ「ナットウキナーゼ」
納豆の発酵成分による現象により、納豆には血中の呼気のアルコール濃度を下げる働きがあります。
また、中毒(悪酔い)を起す血中のアセトアルデヒドの濃度減少効果も!
お酒と体質
本格焼酎の豊かな風味から お酒は百薬の長といわれますが、飲み過ぎれば二日酔いになり、健康にもよくありません。楽しく飲むにはお酒の強さや適量を知ることが重要です。
お酒に対する強さには、アルコールを分解する力(酵素)をどのくらいもっているかによってほぼ決まります。これは遺伝的に決まるもので、個人差はありますが西洋人に比べると、日本人を含めた東洋人は一般的にそう強くはありません。
本格焼酎の魅力
■血栓溶解酵素の活性
酒を飲まない人より飲んだ人の方が血栓溶解酵素の活性が高い、その中でも本格焼酎を飲んだ人が活性が高い。
飲酒 | 人数 | pyro-Glu-Gly-Arg-pNA水解活性 (mmolpNA/dl血漿) |
酒を飲まなかったグループ | 113 | 478 |
焼酎(乙類)を飲んだグループ | 62 | 1,160 |
日本酒を飲んだグループ | 37 | 855 |
ワインを飲んだグループ | 37 | 801 |
ビールを飲んだグループ | 41 | 712 |
ウイスキーを飲んだグループ | 18 | 510 |
■血栓溶解酵素に対するアルコール類の影響
本格焼酎を飲んだ人の方が血栓溶解酵素(ウロキナーゼ)の放出量が多い。
アルコール類 | 濃度 | 実験回数 | ウロキナーゼ放出量(%) |
エタノール | 50mmol/L 100 |
5 5 |
16±9 36±8 |
乙類焼酎成分 (揮発成分) | 50μg/ml 100 |
6 6 |
58±9 82±13 |
日本酒成分 (揮発成分) | 50μg/ml 100 |
5 5 |
37±8 41±10 |
■酒のカロリー
純粋なアルコールは1グラムあたり7kcalありますが、酒のカロリーは糖分や脂肪、蛋白質などの他のエネルギー源と異なり、その3割がただちに体温上昇などに消費され、実際のカロリーは5kcal程度といわれます。
酒のカロリー=飲食時の量 (ml)×(飲食時のアルコール度÷100)×0.789 (アルコールの比重)×5kcal
例. 25度の焼酎6にお湯4を加えたお湯割りを、200ml飲んだときのカロリー
飲食時のアルコール度
=元アルコール度×酒の割合
=25度×0.6
=15度
カロリー
=200ml×(15度÷100)×0.789×5kcal
=200×0.15×0.789×5
=118.35kcal (ショートケーキ1個のカロリーは、約350kcalです。)
※一般事務系の会社員が1日に必要なカロリーは、男性:2,000kcal 女性1,700kcal程度といわれています。
※文献参考:日本酒造組合中央会「本格焼酎と泡盛ヘルシーサイエンス」